牛頭馬頭

キッチンドランカーのほろ酔いレシピ帖

【レシピ】トンポーローと角煮まんじゅう

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すっかり寒くなった。
休みの日には肉でもコトコトと煮込みたい季節だ。
ということで豚の角煮をつくろう。トンポーローを。


トンポーローは甘辛い味付けで酒のつまみや飯のおかずとしてもイケてる一品だが、肉を煮込んでる間はヒマだし手間ついでに角煮まんじゅうも一緒に作ってみよう。


「卓袱(しっぽく)料理」という料亭などで提供される長崎発祥の伝統的なフルコースがある。このメニューの一つだったトンポーローを気軽に食べてもらえるようにと考案され中華まんじゅう生地に挟んで売られ出したのがこの角煮まんじゅうらしい。

 

時々長崎出身のお義母さんが取り寄せて送ってくれる角煮まんじゅうはいい具合にトロっと仕上がったトンポーローが甘い蒸しパン生地につつまれていて絶品だった。


あ、先に書いておくとこのレシピは完成まで3日かかる。

夕方に作り始めてもその日の晩飯に間に合わないのでご注意を!

 

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材料 

■角煮

豚肉(バラ塊できれば三枚肉)1.5kg

香辛料(五香粉)少し
にんにく 一片
しょうが 半分
昆布 20cm 一枚

(調味料)
醤油 160cc
みりん 50cc
50cc
砂糖 大さじ5
オイスターソース 大さじ2
はちみつ(水あめの代用) 大さじ4
味噌 小さじ2


■まんじゅう生地
小麦粉(薄力粉150g 強力粉30g)
白玉粉(20g)
砂糖 (10g)
ドライイースト(5g)
ベーキングパウダー(小さじ1)
食塩 (ひとつまみ)
サラダ油(適量)
100cc


■あるとよいもの
ほうれんそう
針金、ペンチ

−−−


いまさらだが詳しいレシピは持ってないので長崎の角煮まんを取り扱う某IS本舗のサイトに書いてあった原材料も参考にしつつ材料をそろえた。
分量は角煮のレシピなど参考にしつつ適当に決めた。
煮込む系なので作りながら味を見つつ調整する。


原材料の下の方に記載されていた白玉粉、君は何に使うの?と悩んだがとりあえずまんじゅう側に参列させた。
まぁ無くてもいいと思うが小麦粉に少し足すと生地がシットリするかもしれない。

「和」が目立つ食材の中で不安なのは「香辛料」か。
「香辛料」は中華の香辛料「五香粉(ウーシャンフェン)」だと決めつけて進める。
八角が入っているから少し入れるだけでかなり中華方向に振れてしまう調味料。
迷うところだがしっぽく料理のルーツということで海の向こう側の彼の国のエッセンスも取り入れる意味で少しだけインしてみる。

オイスターソースはなければいれなくてもいいが入れた方がうまいと思う。

 

トンポーロー(角煮)を作る

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やたらと時間がかかる料理。せっかくなのでたくさん作ろう。
今回はバラ肉の塊を1.5Kg買ってきた。
多少多くても大丈夫。余ったら冷凍粉に入れて保存できるし。

 

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まずはバラ肉を切り分ける。
肉は長時間火を入れると縮むため、気持ち大き目に切り分けておく。

 

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下茹でする。
鍋にお湯をたっぷり沸騰させ肉をざっと入れ写真のように白くなったらすぐにざるにあける。
その後、血あいのようなゴミは水で洗いをとりのぞく。

 

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再び水から茹ではじめる。
鍋に茹でた豚、水、スライスしたショウガを入れ、酒をたっぷりふたまわしほど入れて火にかける。
水の量は肉が顔を出さず全体にかぶる程度にする。このときは1.5ℓほど。
火にかけて沸騰したらすぐに弱火にする。

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アクと脂は丁寧に取り除く。

 

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強火だと肉が硬くなるので煮立たせないように注意して弱火キープ。
水が減ってきたら足す。肉が浮いてきたら空気に触れてている部分が乾かないようにクッキングペーパーをかぶせる(あれば落としぶたをするのが○)

弱火でふつふつ小さい泡が立った状態をキープし4時間程煮る。
(出来ればもうすこし長く煮たい)
どうでもよいが火加減はラーメンスープで言うところのチンタンスープをとる感じに近いかも。
強火だと固くなってしまうから過保護にいこう。

 

煮終わったら火を止めて鍋ごといったん冷ます。
一晩放っておいて浮いて固まった白い脂は取り除く。
脂をなるべく取り除くことで豚のしつこさがなくなり味もシャープに仕上がる。

 

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味つけをする。(この時点で2日目)
醤油や味噌、砂糖などの調味料をすべてまぜあわせ調味タレをつくる。

 

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下茹でした鍋(煮汁はそのまま)に調味タレ2/3程度と昆布、にんにく一片、お好みで五香粉を加えて火にかける。沸騰したら再び弱火でひたすらコトコト煮る。

アクが出たらこまめに取り除く。

1時間毎に様子を見て残りの味を見ながら残りの調味タレを加え少しずつ煮汁を濃くしていく。

煮汁の量が少なくなったらひたひた状態になる位に水を足す。
最終的に煮汁は舐めてみてややしょっぱいと感じる程度に仕上げる。

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4〜5時間ほど煮たら火を止める。
すぐにでも食べたい色をしているが我慢して放置し冷ます。
(一切れ味見したら酒のつまみにはもういい感じだった。でも2切れまでで我慢した)

粗熱がとれたら煮汁といっしょにタッパーやジップロックなどに移して冷蔵庫へ。
そうしてもう一晩放っておく。その後白く浮き出た脂はしっかり取り除く。

チャーシューや煮卵もそうだが、煮汁の中で冷やすことで具に味が染みる。
卵があったら茹で卵を作り皮をむいて煮汁に放り込んでおくと煮卵になる。

 

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一晩たってから食べる分だけ煮汁と一緒に小鍋に移して三度目の火入れ。弱火であたためる(この時点で3日目)

こんな感じでフワットロになってる。
箸だと崩れるのでフライ返しで持ち上げるないともうダメなレベル。

 

この時点でつまみとしては合格点。てか満点。
もう白髪ねぎと芥子があればそれでよい。

 

しかし今回のゴールはそこではないので豚をつまみに麦酒を飲みながら続きの作業を進める。

 

まんじゅうを作る

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生地の材料の水と小麦粉やその他を全部まぜてたんねんに捏ねる。
表面がツヤっとするまで約10分たたんでこねるを繰り返す。

 

その後まとめて丸め、深めのボウルに入れ、乾かないようにラップをし暖かい場所で1時間ほど放っておくと生地が2倍程に膨らむ。

 

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膨らんでふわっとした生地をたたいて空気を少しつぶし細長くまとめて包丁で6等分程度に切る。
(写真は肉をつまみつつ呑み始めたため酔っぱらって失敗し七個になってる。やりなおし)

 

f:id:K8A:20161129143442j:plainめん棒でぞうり状に延ばしまた発酵させる。

生地が非常にくっつきやすくなっているのでクッキングペーパーにサラダ油を塗ってのせるとよいかも。

30分くらいほうっておくとまた1.5倍ほどに膨らむ。

 

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油を塗り二つ折りにし蒸し器で15分蒸す。

要は蒸しパン。
せいろがあれば一番だが、家にはせいろがないので大きいフライパンに水を入れ小さい皿を底に設置、その上に大きい皿とクッキングシートをしき生地を写真のように簡易蒸し器を作った。これでも十分。

 

肉をまんじゅうに挟んで完成!

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せっかくここまできたので某IS本舗よろしく、焼印を残そう。

完成の前に針金を加工し制作者のイニシャル的な形状にし曲げて割箸に巻き付ける
こいつを、、、

 

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火でちんちんに焼いて、

 

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 ジュウっと出来あがった生地の白い背にヤキを入れて、

 

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角煮、ねり芥子と茹でたほうれん草を挟んだら完成!

 

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The ジューシー!

 

うんまーーーーー。

 

THIS IS 和製ハンバーガー。

いやチャイニーズバーガーか。まあどっちでもいっか。

 

しかし手本にした長崎の某IS本舗のまんじゅう生地はもっとふわっとしていた気がする。肉はいい感じだったがまんじゅうはまだまだ改良の余地があるなー。

 

そしてこのあと作った角煮丼(角煮、茹でたチンゲンザイとネギ、温泉卵をあつあつご飯にのせて煮汁かけた)の方が家族には好評だった。
こっちの写真もとればよかった。

 

ということで時間はかかったが美味しくできてよかった。
友達呼んだら速攻で茹でた肉がなくなった。
もっともっと大量に作って余ったら冷凍しておいてもいいかも。

 

今回のレシピはひたすら煮ただけだが、本格的な中華のトンポーローのレシピは「煮る/揚げる/蒸す」の工程があるようで大変そう。

今回紹介したのは煮ただけなので、正式な「トンポーロー」ではないかもしれない。

でも某サイトで見つけた長崎の料亭の板前さんのインタビューを読むと「煮る」としか書いてなかったから今回はとにかく弱火で煮ていったが美味しくできた。

まあ料理は人それぞれでってことで無礼講。

(ちゃんとしたトンポーローのレシピについては文献:『壇流クッキング』を参照くだされ。こちらもそのうち試してみるつもりです) 

 

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