牛頭馬頭

キッチンドランカーのほろ酔いレシピ帖

雲呑麺を作った話

 

雲呑(ワンタン)が好きだ。

 

ラーメン屋のメニューに雲呑麺を見つけるとついつい注文してしまう。

 

最近食べて美味しかったのは目黒の支那そば「かづ屋」のワンタンメン。

中にたくさん具が詰まっていて皮もプルプルでしっかりとした食感があって良かった。

  

具があまり入っていない皮ばっかりのふにゃ~とした柔らかいタイプも好きだ。

こういうタイプはレンゲですくって口に運ぶとすぐにとろけ、まさに「雲を呑んでいる」という感じがして幸せになれる。

 

一口に「雲呑」と言っても店によって色々特徴があって面白い。 

 

そういえば餃子は自分でよく作るけど「雲呑」は作ったことがないなー、と気付いたのでラーメンと一緒に作ってみることにした。

 

 

 

■雲呑を作る

こいつが今回の主役だからこだわっていきたい。

 

理想はツルツルでプルプルとした喉越しのいい皮。

せっかくなので具は多めで行こう。

 

まず食感を大きく左右する重要なポイントとなる皮。

麺と同じ強力粉を使うとゴワっとしてしまい萎えるのは目に見えている。

雲呑にそんな男らしさは不要だ。ぷるんと柔らかくいてほしい。

 

麺で使う強力粉だと食感が硬くなるのでうどん用の中力粉を使うことにした。

さらに片栗粉を混ぜることでツルっとさせる。

というか市販の雲呑の皮の原材料をみたら片栗粉が使われてたので真似る。

 

今回は友人が遊びにきていたので四人前作る。

うどん用の中力粉160g、片栗粉40gに粉末かんすい1%、塩2%を溶かした水100ccを加えて水回し。水分が均一に分散されるように手で攪拌する。

5分程でそぼろ状になったらOK。

 

 

手でまとめ麺棒で軽く伸ばしたあと、東沢式製麺機のローラーでうすーくしていく。

柔かい歯触りにしたいので複合圧延は1回にした。

雲呑向きなシルキーでいい感じの手触りの麺帯になった。

ただ皮は製麺機であまり薄くしすぎるとローラーにくっついてしまうため、途中からめん棒で薄くした。 

 

 

中に入れる具を作る。

噛んだ時にショウガの風味をビシッと主張させたい。

生姜大きめの一片と、しいたけ2枚、長ネギ約15cmを粗めのみじん切りにする。

それを豚挽肉200gと一緒にボウルに入れて、ごま油大さじ1、オイスターソース大さじ1、しょうゆ小さじ2、酒小さじ2、白胡椒少々を加えてよーく練る。

 

 

皮は正方形に切って二つ折りにし具を包む。

ここからの作業は遊びに来ていた友人に手伝ってもらった。

肉が多すぎて包むのが大変そうだった。

 

 

雲呑完成。いい感じです。

具がもうパンパンですよ。

 

 

■スープ

雲呑麺ということで前述のかづ屋や永福町大勝軒のような動物系に魚介系を効かせたダシにキリッとした醤油味のタレを合わせてたい。

 

ということで乾物から。

瀬戸内の白口煮干一握り、干し椎茸スライス10枚程度、日高昆布をあらかじめ2時間くらい水につけておいた。 水は4リットルくらい。

 

 

本当は豚ゲンコツあたりをじっくり時間をかけて炊いて動物系の力強い出汁をとりたいところだが、15時頃から作り始めたため、晩飯まで時間があまりない。

そこで今回は鶏ガラで。

上の煮干しいたけ昆布を水出しした出汁水を半分ほど鍋に移して鶏ガラ一羽分を入れて火にかける。

沸騰したら弱めの中火にする。

なるべく透きとおった清湯スープにしたかったので強火厳禁。

 

 

豚バラブロックをタコ糸で縛り焼いてスープに追加。

ダシ要員兼チャーシューとなる。

 

 

さらにネギの青い部分、玉ねぎ1/4、白菜とキャベツの芯、生姜スライス2枚、ニンニク2かけを加えて煮込んでいく。

2時間ほど煮たら残りの煮干しいたけ昆布の出汁水をまるごと追加。

(写真はあとで出汁殼を取り除きやすいよう鍋の上に具材を入れた漉しザルを重ねて煮てます)

 

 

その後、宗田、サバ、ムロアジの混合節を一つかみほど加え、

さらに飛び道具としてホンビノス貝を追加。

見た目はハマグリのようだけど安い。4つで200円くらいだった。

前にもこいつを使ったラーメンを作ったけどなかなかいい出汁が出るんですよ、奥さん。

貝類が持つコハク酸といううまみ成分が加えることでスープにコクが増すはず。

 

 

蓋がパカっと開いたらスープは完成。

 

■麺をうつ

麺は家にあったパスタ用のデュラムセモリナ粉400gと春よ恋200gを、加水率33%で合わせて打つ。

デュラムセモリナを使うとザックリした食感になるとどこかで読んだ記憶があり、今回のスープに合う気がしたので使って見ることにした。

 

 

写真を撮り忘れたがデュラム粉は加水率33%だとボソボソで全然まとまらず麺帯にするまでがかなりしんどかった。

 

1.5mm×2mmくらいで仕上げた。

本当はもっと細い麺が理想なのだが切り刃がないので仕方ない。

パスタマシンの1mmの細さでも切ってみた。(左下のやつ)

 

 

■香味油、タレ、チャーシュー

香味油は長ネギ、頭と腹をとった煮干3匹、イタヤ貝柱5個、タカノツメをサラダ油に入れて弱火で15分くらい火にかける。ネギの色が茶色に変わり始めたら火を止める。

揚げネギはトッピング用に取っておく。

 

 

今回のタレはかなりテキトーです。

みりんを火にかけてから濃口醤油にスープ少しとゲランドの塩、砂糖を加えて少し煮立たせて、チャーシュ用の豚を漬けて完成とした。

 

 

チャーシュ用の豚バラはスープで2時間半くらい煮た後、取り出して上記のタレに1時間ほど漬けた。 

 

 

■仕上げる

たっぷりの湯で雲呑を3分半、麺は2分20秒煮る。

 

 

丼にスープとタレ、香味油を混ぜて、そこに茹で上がった麺と雲呑、チャーシュー、茹でたほうれん草をのせる。

 

完成。やっぱり雲呑が浮いているラーメンって素敵。

 

 

実食。

スープは貝の力強いうま味が加わりなかなかうまい。

ただ醤油が勝っている。塩メインで味付けしたほうが良かったかも。

麺はやっぱり太すぎ。もう少し細いほうがいいんだよな。

やっぱ新しいパスタマシン買うかな。。。

デュラム粉は微妙。悪くはないけどあまり好みではない。

 

 

そして主役の雲呑。

皮はプルンプルンにできた。少しだけコシも感じられる。

かなり理想に近い。中力粉 + 片栗粉の組み合わせが功を奏した。

 

 

具はタプーリ。ショウガが効いてます。

 

 

課題がいくつか見つかったがなかなか美味しくできた。

やっぱり雲呑好きだわ。

 

ちなみにこの皮のレシピは餃子に応用できると思うので今度作ってみようと思う。

 

お粗末さまでした。

 

 

 

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