牛頭馬頭

キッチンドランカーのほろ酔いレシピ帖

中華そばを作った話

 

皆さんは「タコライス」と「ナシゴレン」の違いってご存知ですか。

 

どちらもご飯にサラダとひき肉と目玉焼きが乗ってる感じのやつで名前が違うだけだろ、と自分は思っていたのだが、最近になって、同じ食べ物ではなく別の料理だと母に指摘されて知った。こんな飯ブログ書いてる身として恥ずかしい。

 

では「中華そば」「ラーメン」の違いはおわかりでしょうか。

 

と聞いておきながら自分は知らないのでネットで調べてみると、前者はもともと日本にあった「おそば」に対して戦後大陸からやってきたそば、という意味で「中華そば」と呼ばれるようになったらしい。対する「ラーメン」はどこから来たのかというと、これには諸説あってコレというハッキリした起源はわかっていないようだ。

 

んで、結局のところ両者の違いは呼称だけで同じモノと考えてよいらしい。「マック」と「マクド」みたいなもんか。

 

まぁ明確な違いはなくとも「中華そば」というと、ラーメンより「昔ながら」とか「ノスタルジック」なイメージがある。ある程度歴史がある中華そば屋だと箔がついてなおそれっぽい。

 

具体的な例を上げるとなると個人や地域で変わってくると思うけど、 自分の場合は中華そばと聞いて真っ先に思い浮かぶのは永福町系大勝軒の中華麺。ついこないだ初めて食べたひばりが丘の「ラーメンサニー」のラーメンもザ・中華そばって見た目と味わいでよかった。じんわりしょうゆ味の東京ラーメンとも呼ばれる部類のやつ。

 

今回はそんなイメージの「中華そば」を作ってみることにしよう。

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カエシ

まずはカエシ。いわゆるラーメンタレ。

 

いつも適当に作って後になって忘れて後悔するので今回は分量をきっちりメモしておいたのだがそのメモをなくしてしまった。orz。なのでふわっと記憶を頼りに書き起こす。

 

水900ml、薄口しょうゆ500ml、濃口しょうゆ200ml、みりん200ml、雪塩+粗塩160g、酢50ml、砂糖50g、位だったかな。多分そんな感じ。こいつを鍋に入れて出汁パックとネギ、しょうがスライスを投入し30分ほど弱火でフツフツさせ完成。塩分濃度を15%位にした。

 

カエシは作ってすぐ使うといつも醤油のカドが立つのが気になるので3日前に作って寝かせておいた。

 

 

 

スープ

中華そばのスープといえば、豚ガラと鶏ガラのスープをベースに和風だしがふわっとが香るイメージ。

 

ということでそろえた材料は以下。

 

鶏ガラ4羽分と鳥のもみじ(鳥の足、500gちょい)

 

 

豚骨(太いやつを6本分くらい)

 

 

昆布3枚、煮干したくさん、乾燥シイタケを半日くらい前から水だししておく。水は2リットルくらいかな。煮干しは青口。頭とワタは取らずにワイルドに行ってみた。

 

 

業務用だし(さば、いわし、むろあじ)、花かつお。どちらも近所のスーパーに置いてあるやつ。こいつらはスープの仕上げで入れることにする。

 

 

豚骨は20分程下茹でして、水で洗って固まった血などを取り除いてから寸胴へ。水は8リットルくらいかな。

 

 

沸騰したらアクを取る。

続けて鶏がら、もみじ投入。また30分ほどアクを取る

その後、ネギの青い部分、玉ねぎ、ショウガ、ニンニク、昆布を投入。

 

 

スープは清湯とは言わないまでも白濁しすぎない仕上がりにしたかったので、95度を保つくらいでフツフツ。

 

途中豚を焼いて投入。トッピング用のチャーシューとなる。

 

 

チャーシューは2時間くらいスープで炊いて取り出して醤油ダレ(カエシをスープで割ったもの)に1時間半程つけこんでおく。

 

 

5時間くらいフツフツ炊いたら、水出ししておいた和風だし(煮干し、昆布、しいたけ)をすべて投入。

 

 

40分後、業務用だしをザバーっと投入。

 

作りながら呑んでて、すでにだいぶ酔っ払ってて正確な量はわからないが多分一袋の半分くらいはザバーした。

しかしサバやアジの節が加わるとまたスープに色気が出ていいねえ。眠たかったがこの香りで一気に目が覚めた。

 

 

さらに30分後に花かつおを投入。3つかみくらいか。

最後に一度だけガッと強火にしてから火を止める。

 

 

その後、しばらく放っておき花かつおが少し沈んだら完成。

 

 

濾した状態。半濁している。いい香り。

 

 

容器に移し、節系の香りが飛んでしまわないよう氷水で冷やす。この容器は大勝軒のおみやげラーメンを入れていたスープの容器だ。まったくつかえる奴である。

 

 

しかし容器が足りなかったのでジップロックも動員。完成したスープは6リットルちょいくらいかな。

 

 

香味油

以前あるラーメン屋で素のスープだけを飲ませてもらったことがある(つけ麺と割りスープでもらったやつだ)。煮干し系スープが推しの店だったんだけど素のスープは思ったより「にぼし感」が薄くてびっくりした覚えがある。スープの風味や味は香味油やタレからの演出効果もあるのだなぁと食べながらしみじみ感じた。ラーメンにおける油ってのはかなり大事な要素なのだ。

 

ってことで今回は煮干しが香る「ニボ油」を作ることにした。中華そばって煮干しが強い印象があるし。

 

煮干しの頭と身(ワタだけとった)、刻んだネギ、ショウガ、ニンニク、鷹の爪をサラダ油でフツフツ。

 

 

ネギがキツネ色になってきたところで火からおろし、濾して除菌した瓶に移す。

この油を作りながら隣でスープを炊いていたのだが、部屋中が煮干し臭に包まれた。

 

 

麺打ち

当初、麺は和華という小麦粉を使い、卵を加えて加水率高め(42%)で打った。

 

 

この中華そば、実は翌日友人宅の集まりでふるまう予定で仕込んでいた(だから量も多め)。友人たちに食べてもらった反応はおおむねよく、気を良くしたのをいいことに呑みすぎて(作りながら呑んでいた)酔っぱらい、自分は食べずに激沈した(このパターン多い)。そして完成した中華そばの写真は一枚も取らないまま終了。

 

スープとカエシと香味油だけは残っていたので持ち帰って冷凍。後日、自宅にてリベンジする運びとなった。

 

で、製麺から続き。

 

粉はまた和華(好きなんです)。今回は卵を入れずに低加水率でいってみることに。

この和華という小麦粉は小麦粉自体の水分含有量が高いのか、加水率低めで打っても他の粉に比べて柔らかい麺が仕上がる気がする。夏だと湿度と気温が高いせいか余計に。そこで今回は30%という低加水率でうってみた。

 

太さは1.5 x 2㎜くらい。

30%でもボロボロになることもなく苦労することなく打てた。

 

 

仕上げる

手鍋でスープを温めつつ、味見しながらカエシと香味油を加えて調整していく。

 

これだけだとどうにもボンヤリした印象だったので、濃口しょうゆを一まわしと味の素ひとつまみ足したら急に味が締まって一気にウマくなった。

カエシは薄口ベースでつくっておいて、仕上げ段階で生の濃口を足してしょうゆの風味をほどほどに立たせるっていう技?は使えるかも。

 

完成したスープを丼に注ぐといい感じの色あい。せっかくなんで油多めで。

 

 

麺は2分ゆでて、豚肩肉のチャーシューと煮卵(後日作りなおしたもの)と海苔をトッピング。

 

完成。

 

 

 

スープを一口そそる。スープを冷凍したので節の風味は弱くなっているが雰囲気は出ている。わりと狙い通りの中華そばに仕上がった。やはりニボ油でよりそれっぽい感じになった気がする。

 

麺は低加水だと噛んだ時にきゅっとした触感があっていい。ただもっと細くてもよかったなー。 1.3mmの切り刃とかほしいぜ。

 

全体的に個人的には好みだったんだけど妻からは「小麦粉の味が弱い」という指摘。次は全粒粉とか入れてみるか。でもそれだと中華そばな感じじゃなくなるんだよなー。

 

 

煮豚は歯ごたえが残るオールドスタイル。

 

 

息子はつけ麺。水で締めるとまた一段とキュッキュッとしたコシが強くなり面白い。

 

 

ここまで書いてようやく気付いたが「中華そば」といえばメンマとナルトも必要だったなー。

 

 

お粗末様でした。

 

 

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