牛頭馬頭

キッチンドランカーのほろ酔いレシピ帖

鮎ラーメンを作った

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鮎釣り名人のまっさんという友人がいる。

 

www.sugara.net

 

そのまっさんに「ラーメン作りに使いたいから鮎をわけてくれない?」と頼んでみたところ、

 

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超大量に譲ってくれた。

 

去年の夏に釣って冷凍保存していた鮎だそうだ。

 

ついでになぜか肉も大量にくれた。心優しい友人をもってよかった。

 

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味見。天然モノだから味も香りもよき。



よし、この鮎で出汁を取りラーメンを作ろう。

 

鮎の焼き干しを作る

まずはスープとなる鮎出汁を取るため、焼き干しを作っていく。

 

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凍った鮎を流水で解凍する。

 

マメな友人の手により一匹一匹ビニールに小分けされていたので保存状態がいい。

 

袋から出すと、鮎特有のウリのような香りがひろがる。台所が夏だ。

 

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内臓を出して洗って、水気をふき取る。

 

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軽く塩を振り、焼く。こげないよう弱火で45分。

 

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少し焦げたがまあ良し。

ほんとは炭火でじっくり炙りたい(そして酒のつまみにしたい)ところだが、うちには庭も炭もないのでコンロで。

 

その後、網に並べて日陰で干す。

 

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3日間干したらだいぶ水分がとんだ。

カッチカチやぞ。

焼き干しはこれで完成とする。

 

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カエシを作る

カエシってのはスープに味をつけるラーメンタレです。

 

今回は鮎の淡い風味を活かしたいので「白醤油」と「塩」ベースでいってみます。

 

白醤油は「しろたまり」。

 

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白醤油はヤマシン、白むらさき、しろたまりの3種が候補でどれを使うか迷ったが、味見をした結果こいつの風味が一番やさしくて鮎に会う気がしたのだ。直感を信じるべし。

 

カエシに使う出汁を作ろう。

真昆布20g、干ししいたけ20g、水700ccくらいを鍋に入れて冷蔵庫で一日水出し。

 

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翌日、干し貝柱フレーク5gを加えて火にかけ、ふつふつしたら昆布を取り出す。

 

沸騰したら火を弱め10分ほど煮る。その後濾して干ししいたけと干し貝柱は取り出す。(昆布と干し椎茸、貝柱はまだ出汁が出そうだったので冷蔵庫で保管した)

できた出汁550㏄を鍋に戻し、酒100cc、みりん50cc、砂糖30gを加えてふつふつしたら、しろたまり150cc、最後にシママース+太平塩+岩塩80g 加えてとかし、火を止める。

 

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濾して完成。このカエシは3日間ねかせてから使った。

 

麺をうつ

麺は「春よ恋」に「小麦たんぱく」を5%まぜ、塩とかんすい1%ずつ、加水率38%で延ばし、パスタマシンの1.5mmと1mm切り刃で2種類に切った。

 

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これは1.5mm麺

 

最近パスタマシンの調子が悪くて延ばす作業時に生地がヨレた。そのため麺の出来がイマイチだ。そろそろ新しいの買うかな。


スープ

はじめて鮎を使うので一匹からどれだけの出汁が取れるかわからん。

なので当てずっぽうで一匹当たり水200mlでいってみることに。

 

水600mlと鮎3尾を鍋に放り込み冷蔵庫へ。

煮干しと同じ要領で半日ほど水出しする。

 

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スープは鮎だけだとモノ足りなそうなので補強として「鶏」も使う。二子玉川の某鮎ラーメンの店も鮎+鶏ガラのダブルスープのようだし。

 

ということで用意したのは鶏ガラ1.2kg&丸鶏(親鳥)1.2kg


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丸鶏は大久保の業務用スーパーで350円くらいだった。安い。大久保が好きだ。


親鳥は解体し、鶏がらも血とかゴミを取り除き軽く下茹でする。次に寸胴に水6ℓを張り、下茹でしたやつらを放り込み炊いていく。

 

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強火でガッとやって沸いたらさっとアクを取って弱火にしてトロトロと炊く。

濁らせたくないのでほとんど泡が沸いてこないくらいの長弱火にした。

 

昆布と干ししいたけ香味野菜としてネギの青いとこ、ショウガ、玉ねぎ半分を放り込む。カエシに使った昆布と干し椎茸と貝柱もここで放り込む。

  

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浮いてきた鶏油はきれいに掬い取る。今回のラーメンは鮎の風味を立たせたいので鶏油は使わない。


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8時間炊いて鶏清湯約3ℓが完成。

 

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余談だが、清湯をつくった後の鶏のダシガラにはまだうま味が残ってそうだったので、水を足してさらに3時間強火でゴリゴリ炊き白湯も作った 。これは鍋などに使う。

 

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香味油

余計な風味をつけたくないので油は超シンプル。

熱したサラダ油に刻んだネギを入れ1分。これにて完成とする。


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仕上げる

鮎出汁を火にかけ、30分煮だす。

 

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鮎出汁と鶏清湯を5:5で割り、カエシで味を付けて油を振ったらスープ完成。


いい色である。

 

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麺を茹でスープに泳がせ、トッピングで塩焼きの鮎、白髪ねぎ、焼いた鶏団子とししとう、煮卵などをのせ、完成。

 

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実食。

 

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うむ。うまい。

 

じんわり鮎の香りもする。

 

ただ、麺は1.5㎜だと太すぎる。 

 

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つーことで、事前にうっておいた1mmの超細麺を固めに茹でて、替え玉に。

  

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うん。断然のこっちの方が合う。これはうまい。麺で印象ってだいぶ変わるなー。

 

ということで、初めて作ったにしては上出来。

  

でもな。

 

なんかこうグッとくるものがない。

 

鮎の風味も弱い。知らないで食ったら鮎ラーメンって言われてもわからんかも。

 

わるくはない。わるくはないんだけどなー。ふつうのやさしい魚介鶏塩ラーメンってかんじ。

 

鶏と鮎のバランスを変えて鮎出汁メインにするとさっぱりし過ぎちゃうしな。

 

ムズイなー。

 

 

完成したらまっさんに食べてもらう約束をしてたのだけど、これじゃまだ食わせられんなー。もうちょっと試作が必要だ。

 

ってことで鮎をまたもらってこなきゃな。だいぶ味見もしちゃったし(笑)

 

 

どうでもいい情報だが、鮎を焼き干を作ってる時にネットのぞいてたら、密かに敬愛している製麺愛好家玉置豊さんも時を同じくして鮎ラーメンを作っておられビビった。

 

お粗末様でした。

 

 

 

 

 

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