家系ラーメンを作った話
軽い夏休みのような気候のゴールデンウィークでしたが皆様いかがお過ごしでしたしょうか。
自分は暑い中スープをグツグツと炊いてました。ラーメン好きの友人から素敵な誕生日プレゼントをいただいたので。
プレゼントを頂いた。あざす。励みになります。 pic.twitter.com/tbqRWEwdFL
— ポ・ペータ 2017年4月21日
ラーメンショップや家系ラーメンを思い出さずにはいられない淡く水色に光るどんぶり。
友から与えられた使命だ。この丼に見合うしかるべきラーメンを、ということで連休は2日間を使って家系ラーメンのスープを炊いていたのです。(嫁と息子は親父をおいて2人でどこかに出かけてしまった)
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実は家系ラーメンは以前にも友人と一緒に自作したことがある。
しかし情けないことに調理中に自分が途中で風邪でダウンしてしまい、友人に任せっきりだった。そのためレシピがわからない。(作ってもらったラーメンがウマかったのはしっかり覚えている)
ということで今回はラーメン千代作のレシピを参考にさせてもらいつつ作ってみる。千代作は10年以上前に勤めていた職場が近くにあったのでよく食べた懐かしのラーメンだ。うまかったなぁ(遠い目)。
ただ、千代作レシピはプロのレシピということでスープづくりの工程が複雑で大変そうなので自分流にアレンジし簡略化してみる。
材料
麺はだいたい6~7人前かな。スープとタレは多めの分量です。
■スープ
- 豚ゲンコツ 2キロ
- 豚背ガラ 1.5キロ
- 鶏ガラ 2キロ
- 昆布 30cm
- ネギ青い部分 2本文
- ニンニク 1房
- 生姜 3かけ
- 玉ねぎ 1個分
- 白菜根っこ 1個分
- 大根の頭 1個分
■タレ
- 濃口しょうゆ 300cc
- 薄口しょうゆ 200cc
- みりん 150cc
- 塩 大さじ3
- 昆布 5cm
- ハイミー 小さじ2
- 味の素 小さじ3
■鶏油
- 鶏皮 350g
- ネギの青い部分 10cm位
- ショウガ 1かけ
■トッピング用
- 豚ロース 900g
- ほうれんそう 2株
- 海苔 適量
- 卵 適量
■麺
- 強力粉(和華) 1kg
- 水 300㏄
- 粉末かんすい(蒙古王) 10g
- 塩 10g
1日目
スープは豚骨をベースに鶏ガラを合わせる。ハナマサで豚げんこつ2kg、背ガラ1.5kg、鶏ガラ2kgを調達してきた。ちょっと鶏ガラの分量が多い気がするがまぁOKとしよう。
ガラは2日間に分けてじっくり煮込みダシを取る。なにしろ時間はたくさんあるのだ。連休万歳。
背ガラは2日目に使うので一旦冷凍庫にスタンバイさせておく。
1日目は鶏がらと豚骨を使う。凍っているので水をはった寸胴にドボンして解凍させつつ1時間程血抜きをする。水が血で赤くなるので途中2回水を交換した。
鶏ガラは溶けたら内臓やごみを取っておく。
なるべく臭みがなく旨味が詰まったスープにしたかったので丁寧に下茹でする。
先にげんこつだけ、寸胴にかぶるくらいの水を入れて、火にかけて沸騰後20分程下茹でしてから水洗いする。ゴミや血合いや血管ぽい部分はなるべく取り除く。
鶏がらは別の鍋に移して出番が来るまで引き続き血抜きしておく。
きれいに掃除したげんこつを寸胴に戻し、今度は水6リットルを入れて再度強火にかけて茹で始める。沸いたらアクが出てくるのでマメに取り除く。今回は下茹でしてあるのであまり出てこなかった。
げんこつはダシとなる髄が出やすいよう半分に割る必要があるが、今回は最初からカットされているものを購入できたので楽ちんだった。ハナマサのげんこつは半分にカットしてあったり1本そのままだったりするが店によって違うのだろうか。
2時間ほどトンコツだけで煮込んだあと、鶏ガラを下茹でなしで追加投入。鶏ガラのアクが出てくるのでこまめにすくって取り除く。
水は足りなくなってきたら少しづつ足す。
水は水差しピッチャーに昆布を入れておき、ここから鍋に入れつつ足りなくなったら常時足す。これで昆布のうまみもすこし加わるはず。
鶏ガラのアクが落ち着いてきたところで臭み消しに剥いたニンニク1房分と皮ごとスライスしたしょうがを投入。
続けてネギや玉ねぎなどの野菜を追加。
どさくさに冷蔵庫にあった白菜の根っこ、大根の頭も入れた。このあたりは元のレシピとだいぶ違う。まぁ野菜から甘味が出ればいいのだ。きっと。
野菜は余り煮すぎると溶けて臭くなるので2時間位で取り出す。
その後、蓋をして強火でグラグラと煮て白濁させていく。時々菜箸でかき混ぜる。
水が減ってきたら都度、昆布をつけた水を足してガラにスープをかぶっている状態をキープする。途中からその昆布も鍋に入れて1時間ほど煮た。ガラと昆布から出るうまみ成分の相乗効果でコクを出す。
あとは蓋をして時々混ぜながらひたすら炊く。
1日目は午前0時で終了。
豚骨だけで8時間、鶏ガラを入れてから6時間で1日目は終了。成果は2.5リットル。豚と鶏の旨みが濃縮されたスープ。ガス代のことは考えてはいけない。明日もまだまだ炊くのだから。
鶏ガラは長時間の強火で炊かれて原型がない状態まで木っ端みじんになっているので漉しておく。げんこつはかき混ぜが足りなかったのかまだ髄が残っていてダシが出そうだったのでそのままスープに沈めておく。
スープ作りと並行して、タレと油と煮豚の下準備も1日目にしておく。
鶏油を作る
鶏皮と被るくらいの水を手鍋に入れ火にかける。
香りづけにネギの青い部分とショウガのスライスを入れた。
鶏皮から黄色い脂がジュワワと浮いて出てくる時々すくってココットに集める。
脂が出なくなった鶏皮は隣のスープを炊いている寸胴に加えて再利用する。
ラーメンタレを作る
鍋にみりんを入れ、火にかけて煮切ってから、濃口醤油300㏄、薄口醤油200㏄、水200㏄、塩大さじ3を加えて、弱火で1時間ほど煮る。
醤油の味を濃くしたかったので濃口醤油の配合を多め。
量が半分くらいに減りトロっとしてきたらハイミーと味の素を加えて火からはずして昆布を入れて少し冷ましてからビンに移して冷蔵庫へ。鶏油も一緒に冷蔵庫で保存。
煮豚を作る
豚肩ロースのブロック900gをタコ糸で縛って丸太状に成形し、塩コショウをまんべんなく振ってから熱したフライパンで焼き色を付ける。
強火で転がしてこんがり香ばしく清く正しく。
その後少し冷ます。
総本山の吉村家のチャーシューは燻されてスモーキーな風味のチャーシューだが、作るのが大変なので千代作のレシピと同じ低温で煮つつタレに漬ける方向で行く。
コンロの隣の寸胴で炊いているスープをおたま1杯分すくって先ほど作ったラーメンタレを少しミックスし煮豚の漬け汁をつくる。漬け汁の配分は忘れたが味見してみて「飲むとしょっぱいな」というくらいの濃度。(適当ですみません)
この漬け汁と焼いた豚ロースをジップロックに入れて空気を抜き鍋の湯に入れ弱火で約2時間70℃をキープ。じっくりやわらかく仕上げる。
にしてもコンロだと温度を一定にキープするために張り付いてないといけないので面倒です。低温調理といえばANOVAがほしい。
2時間たったら取り出してジップロックのまま冷蔵庫に入れておく。
写真を撮り忘れたが煮卵も作った。煮卵は茹で卵の殻をむきチャーシューと同じ漬け汁にかつお節を少し加えてそこに1晩つければOK。
麺をうつ
酒井製麵から家系専用麺を取り寄せたいところだが、自分で打つ。
少し前に取り寄せておいた「和華」という麺用の小麦粉が打ちやすく味と色も気に入ったのでブレンドせず単体で1kg打った。
下の写真は前々日に水回しまでした段階で別の粉と比べてみたもの。左が「和華」で右が「飛行船」という小麦粉。どちらも北海道産の小麦だが和華のほうが黄色みを帯びているのがわかる。
家系の麺は卵が入っているという情報もあるが小麦粉のポテンシャルが高いので今回は入れずにいってみる。
水300ccに対して蒙古王かんすいと塩をそれぞれ10gずつ溶かしたらボウルで小麦粉に混ぜ込み水回しする。その後、製麺機で複合圧延2回し麺帯にしたら1晩寝かす。
約32%とそこそこ加水率低めな設定だったがまとまりやすい。
翌日、麺に切り出した。2.2mm×2.5mくらい。もうちょっと太くてもよかったかも。
2日目
朝から豚の骨を引き続き炊く。まずは前日作ったスープとげんこつを寸胴にイン。
背ガラ1.5kmを流水で解凍。
10分ほど下茹でして軽く洗ってから寸胴に放り込み水も3リットル程追加してまた強火にかけて蓋をしてグツグツ煮込んでいく。
昨日と同じく時々昆布水を足しつつ6時間ほど炊いてスープは完成とした。計14時間。
一度買い物のために家を出て帰って来た時の部屋の香りがラーメン屋だった。
仕上げる
どんぶりをお湯で温めてからタレ大匙4と湯せんして溶かした鶏油を大匙2。そこにスライスした長ネギをパラリ。
ここにお玉で4杯のスープを注ぐと「濃いめ」くらいの濃度のスープになる。
麺は2分30秒くらいゆでる。
麺の湯を切って、茹でたほうれん草、スライスした煮豚、海苔をトッピングし完成。
用意した寿司はね海苔が薄っぺらくて向こうが透けているのがやや残念だ。
まずはスープをズズっと。何度も味見をしているがうまい。
前々日に武蔵家を食べてスープはその味をイメージしていたのだけどマイルド系で少しおとなしい味。もうちょっと豚の風味が強く荒々しくてもよかった。
次やるなら豚骨は下茹でなしでもいいかな。近所の家系ラーメン屋さんで冷凍されたままの背ガラを寸胴にぶち込んでいるのを見たことあるしな。あとやっぱ豚骨の量と火力がほしい。そうなると業務用コンロが必要か・・・
麺はいい。家系っぽいかといわれるとわからないがスープに負けない小麦粉の風味とプリッしっかりしたコシが感じられる。優勝。和華好きだ。リピします。
チャーシューはしっとりとしている。
ということで無事完成したので、友人も呼んで振舞った。
最後は酒盛りとなりこんなやつをお見舞いした。
丼ぶりに咲いた一輪の花。YOSHIKIのドラムセットかと。励みになります。 pic.twitter.com/76cSQi5otx
— ポ・ペータ (@K8A) 2017年5月5日
(このあと皆でおいしくいただきました)
海苔チャーシュー増し + めかとろ + 味玉トッピング!
「めかとろ」はメカブとトロロをまぜたもの。スープに絡ませて食うとメカブの磯の香りが混ざりうまい。東京は八王子と福生、相模原にある壱発ラーメンっていうラーメン店の名物トッピングを真似した。
そういえば壱発ラーメンの丼も青いが、やはり家系と同じくラーメンショップの系譜なのだろうか。
あぁ書いてたら今度は壱発ラーメンが食べたくなってきた・・・。
お粗末様でした。
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